医療保険も、がん保険もいらない?
保険に入っていないと不安だなという声が聞こえますが、
保険に入る際に考えるポイントは、必要・不必要だけです。
曖昧なグレーゾーンはありません。
洋服を整理するときに、着る・着ないかで「断・捨・離」するように、
保険も必要・不必要だけでいいです。
「いつか着るだろう」と思って取っておいている洋服は
結局「タンスの肥やし」になっている苦い経験はありませんか。
保険制度以外にこの保険の保障がなければ、
子どもの生活費がまかなえないという具体的な「必要」な理由があれば、
あとは保険料ともらえる保険金額の大きさで判断すればよいです。
保険は『自己資金では対応しきれない緊急事態への備え』
具体的には、個賠(いわゆる個人賠償責任保険)、
火災保険、
子育て中の親の死亡に備える保険(収入保障保険など)は検討してもいいでしょう。
理由は、万が一の時には大きなお金が必要になるからです。
医療保険やがん保険は、国民健康保険である程度カバーされます。
貯蓄でもまかなえる範囲の出費で済むことが多いので、優先順位は下がります。
会社員ならまず知っておきたい2つの制度
日本では、医療保険やがん保険は必須ではない理由のもう1つは、
健康保険の「高額療養費制度」と、雇用保険の「傷病手当金」があるからです。
高額療養費制度とは、病院への支払いが1カ月当たりに上限額を超えたときに、
超過分の医療費をほとんど返してくれる制度です。
併せて読む:医療保険に入る前に、高額療養費制度をご存知?
また、大きなけがや病気で仕事を長く休んでも、
会社員や公務員なら「傷病手当金」があります。
一定の条件を満たせば、会社を連続欠勤4日目から最長1年半、健康保険から
支給開始日の以前12カ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)が支払われます。
標準報酬月額が45万円の人なら、月額30万円が最長1年半、補填されることになります。
しかし、中小企業の従業員(とその家族)が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)のデータによると、給付率は1%ほどです。
さらに1年を超える長期支給は、支給者のうち2.5%です。
1万人の会社員のうち、3人もいないという割合なので
それでも約1年半も仕事ができなくなる可能性は低いということです。
また、傷病手当金が最長で1年半ではなく、3年などと長い会社もありますし、
その間に支払われるお金が給料の2/3よりも多い会社もあります。
ぜひ、勤務先の制度を調べておきましょう。
保険屋は、保険を売ってなんぼの世界です。
いい商品もありますし、その保険が必要な人もいると思います。
『あなたの場合は、国と勤務先の保障制度で大半のリスクはカバーされていますね』なんて、保険屋はアドバイスすることは、まずないと思ってください。
保険の見直しに関して、まずお気軽に聞いてみてください。