株価はなぜ上がる?
最近、ネット証券口座で株投資をしている人が多いようですが、なぜ株式に?と聞きますと、儲かりそうだからと返ってきます。では、どうしたら儲かりますか?配当金目的でなければ、売買益目当てがほとんどです。そもそも買った株が上がる根拠は何か?知らずに株式投資を語っている人は多いようです。
まず、価格が低い株は安いと、価格が高い株は高いと思っていませんか?
そして、株の価値はその価格によって示されると信じていませんか?
株価は、企業の現在価値または市場価値のみを示しています。価格は株の取引量によって、または買い手と売り手が合意した価格で変動します。
買い手が売り手よりも多い場合、株価は上昇し、
逆に売り手が買い手より多い場合、価格は下がります。
一方、株の価値は企業の本質な価値を意味します。これは無形資産と有形資産を含みます。ファンダメンタル分析から洞察しなければなりません。
企業は投資家向けに必要な情報はオンラインで財務諸表を公表しています。さらに多くのネット証券会社は、多くの情報源からのそれらの結果の分析と要約を提供しています。
企業は、株式や債券を発行して資本市場から現金を調達します。
株価は10ドルで
A社の発行済み株式数が100億の場合、時価総額が1,000億ドル
B社の発行済み株式数が10億の場合、時価総額が100億ドル
A社の価値はB社の10倍です。(時価総額=株価×発行済株式)
時価総額は多くの場合、企業の市場価値と同義です。ただし、時価総額は企業の株式の市場価値のみを指し、負債や資産の価値を含む市場価値全体を指すわけではないため、注意が必要です。
株価と株の価値
株価を動かす要因は最も一般的なものが業績です。つまり「株の価値」が変動しそうだから、株価も反応して変動するわけです。
増収増益や業績の上方修正を発表すると、株価は反応して上昇しやすくなります。でも、必ずしも上昇するとは限りません。なぜなら、事前に決算内容に良いことが発表されると予想される場合、株価が決算発表までに上昇を始め、決算発表のときには急上昇をしているようなケースでは、決算発表の好材料が出尽くしとなって、投資家が利益確定することから、株価は下落に転じるという動きも起こります。
株価を動かす要因に乗じて投資をすることが必ずしも成功するとは限りません。
「株価は思惑で動いて材料で売られる」と言われます。
多くの投資家の予測で株価は上昇し、好材料で出尽くしとなるということです。
また、悪材料は株価を下げる要因です。2008年からの企業業績のほとんどが赤字転落や赤字幅拡大、下方修正など、企業業績の悪化を示すものばかりでした。
その過程で株価はバブル以降で最安値を更新しました。その後、悪化する経済指標にも、次第に投資家は予測の範囲内として受け止め、悪材料に対する抵抗感がつくようになりました。悪材料が出尽くしたということで株価が反転に転じるなど、悪材料も出尽くすと、株価を上昇させる要因になるのです。
材料がなくても株価は日々、変化をしています。
すべての投資家は、さまざまな株価の変化のなかに、経験則などを踏まえて投資のタイミングなどを模索しているのです。株価を動かす要因をどのように受け止めるのかが、もっとも投資家にとって難しい判断を求められるところです。
ただ、ひとつ確実なのは、人間には未来を正確に予測する能力はないということです。
身もふたもないかもしれませんが、このことを肝に銘じていないと、
「確実に儲かります」といった類の詐欺話にひっかかったりしないとも限りませんね。